異常震域の原因と兵庫県南部地震・東北地方太平洋沖地震と異常震域
昨夜の地震は日本全土に広がる異常震域と言われていますが、その異常震域の原因と過去の兵庫県南部地震の異常震域との類似性について調べてみました。
5月30日の夜に小笠原の沖で起きた地震はマグニチュード8.5という規模の巨大な地震でした。
そしてこの地震は3.11以降起きた地震としては最大規模となるマグニチュード8.5(3.11東日本大震災はマグニチュード9.0)を記録し海道から九州、沖縄まで極めて広い範囲で揺れが観測されました。
この、極めて広範囲での揺れる異常震域とも言われる原因は、震源が
深さ590Kmという極めて地中の深い場所で起こったことが原因だとされています。
異常震域の原因メカニズム
気象庁HPより
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq27.html
震源が非常に深い場合、震源の真上ではほとんど揺れないのに、震源から遠くはなれた太平洋側の場所で揺れを感じることがあります。この現象は、「異常震域」という名称で知られています。
異常震域の原因 「深発地震」
この日本列島の極めて広い範囲で発生した異常震域の原因は
「深発地震(しんぱつじしん)」が原因とされています。
「深発地震」とは
地中の深いところで発生する地震で、通常は深さ100kmから200kmで発生する
ものとされています。
今回は560Kmと「深発地震」としても世界で類を見ない深さで
地震が起きたことが原因で日本全土にわたる異常震域が発生したと考えられます。
日本を取り巻くプレート
そして、もうひとつ異常震域の原因としては
「深発地震」地震の規模が極めて大きかったことと、フィリピン海プレートで起きた地震の揺れがプレート内に閉じ込められ、太平洋プレート、北米プレート、ユーラシアプレートといった日本列島を分断するプレートの形に沿って、北海道や東北、関東まで揺れが広がったことで北海道から沖縄までの異常震域となったことも考えられます。
箱根や口永良部島との関連性
これほどの広範囲の異常震域の地震が発生すると、今、活発に火山活動が続く箱根や口永良部島との関連がどうなっているのかが心配です。
全く関係がないとは言えそうにもないですが、専門家の話では以下のコメントしか出されていません。
「現在、口永良部島や箱根山で活発な火山活動が続いており、不安を覚えるかもしれないが、地下の活動がどうつながっているかは分からないので何とも言えない」
阿部勝征(かつゆき)・東京大名誉教授
毎日新聞 5月30日(土)23時52分配信
そこで過去起きた異常震域について調べてみました。
兵庫県南部地震 東北地方太平洋沖地震と異常震域
近年の大規模な地震は、2011年3月11日の東日本大震災の原因となった
東北地方太平洋沖地震と1995年1月17日に阪神・淡路大震災を引き起こした
兵庫県南部地震が記憶に新しいと思います。
2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震の震源は震源の深さが24Kと浅いため「深発地震」ではないようです。
牡鹿半島の東南東約130km付近の太平洋(三陸沖)の海底、深さ約24kmを震源として発生した。
Wiki 東北地方太平洋沖地震より
「深発地震」の場合は震源が地下深いために津波は起こりにくいらしいです。
では、阪神・淡路大震災の原因となった兵庫県南部地震はどうなのでしょうか?
こちらも震源の深さが震16kmと非常に浅いところで起きた都市部に起きた直下型地震です。
震源が浅い直下型のため
兵庫県の南部を中心に大きな被害と戦後最多となる死者が出ました。
しかし、震源が浅いにもかかわらず、震源から遠い豊中が震度5
大阪や姫路は震度4という現象が起きました。
しかし、今回の異常震域の原因となる震源の深さからだけ考えれば
東北地方太平洋沖地震や兵庫県南部地震と今回起きた5.30の小笠原沖の地震は性質の違うもののようです。
過去、異常震域となった地震
は平成19年7月16日の京都府沖の地震(深さ374km)があります。
この地震は2007年(平成19年)7月16日の新潟県中越沖地震を引き起こした地震です。
「深発地震」として、こちらにその資料があります。
http://www.jishin.go.jp/main/chousa/07aug/p19.htm
地震のメカニズムはまだ解明されておらず、個人的には今回の地中の奥深くでの
地下活動が「深発地震」として起こり、その影響で地表に近い、浅い震源の場所で地震が起きるのではないかと考えています。(あくまでも個人の考えです)
その、浅い震源が都市の直下であれば非常に大きな被害が出る可能性が大きいと思われます。
深発地震なので安心という事はなく
今後、地震に備えた備蓄や連絡網などの整備をしておく必要があります。
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